099:聴(文乃)

聴く度に元気になれるその声に逢いたくてまたラジオをつける

098:独(文乃)

反省とはどうあるべきか日独の差異がするどく浮き上がる夏

097:騙(文乃)

年寄りを騙す健康機器の店ぱくりと戸口開けて待ちおり

096:賢(文乃)

幼子は時に賢者ですっぱりと本質を突く一言が出る

095:申(文乃)

国民の異議申し立てに耳貸さず右へ右へと舵は切られる

「うたの日」投稿作品(2015年9月)

2015.9.4「詐欺」
無料でのイベントですと爽やかに誘う青年の笑顔寂しむ

2015.9.21「原チャリ」
原チャリを抜くタイミング計るとき私にかすかな野生が戻る

2015.9.23「うまい棒」
うまい棒ぐしゃりと潰す野蛮さで少年たちは夏を越えてく

2015.9.24「コピー」
わたくしのコピーロボット三人と仲良く家事を分けあう未来

094:腹(文乃)

このお腹にみんな入っていたのにね 子どもは次々親の背を抜く

093:わざわざ(文乃)

強風の指にかき回され続けざわざわざわめきやまぬ芦原

092:徴(文乃)

回復の徴候見えて軟膏を傷に塗る手がちょっぴり弾む

091:略(文乃)

「前略」と書き出してみればするすると嘘並べられる大人になった

090:山(文乃)

山肌に立ちのぼる雲に洗われて木々の葉はまた色を深める

089:マーク(文乃)

ミシシッピの水面に永遠(とわ)の冒険を刻んでいったマーク・トウェイン

088:炭(文乃)

炭酸水はじける速さで夏がゆくあなたが父でいられる時間

087:当(文乃)

速い子と丁寧な子と 掃除にも個性出てくるお風呂当番

086:珠(文乃)

数珠つなぎにちょこちょこ並ぶ一年生少し曲がった整列をする

085:化石(文乃)

うつくしい化石のような思い出が記憶の地層に蔵(しま)われている

084:錦(文乃)

紅白の金魚を二匹泳がせて錦玉羹に透き通る夏

083:憎(文乃)

もう誰を憎めばいいか分からずに原発事故後の世界を生きる

082:佳(文乃)

「佳きことの多き一年を」元旦の賀状に滲む友の優しさ

081:付(文乃)

少女らのあこがれ映す歴代の『りぼん』の付録の本眺めおり
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