「うたの日」投稿作品(2016年4月)

2016.4.1「嘘」
エイプリルフールで始まる一年がはにかみながら瞳を上げる

2016.4.5「家族」
やはらかな芯でありたい子どもらの洗濯物を畳みゆく時

2016.4.15「右」
老いるとはかくも哀しき左折サイン出して右折する老爺の車


「うたの日」投稿作品(2016年3月)

2016.3.1「時」
くるくると子らの心を包みゆく家族の時間(とき)はバウムクーヘン

2016.3.2「イヤリング」
イヤリングばちんと留めるはつなつの海に飛び込むような決意で

2016.3.4「片想い」
教室に降る陽のなかで君のシャツだけが真白くかがやいていた

2016.3.6「梅」
梅の花咲いたことすら気づかずにただ駆け抜けた震災の春

2016.3.10「自由詠」
溶け残る雪のかたちのうつくしさ中州に抱いて川は流れる

2016.3.11「奥」
身の奥に棲みついている 福島での家族の日々が見ていた夢が

2016.3.12「()(パーレン)」
穴埋めの括弧の広さが君たちに答えをそっと囁いている

2016.3.13「王」
モナ王をさくりと割ればサンダルの小さな手と手に夏があふれる

2016.3.14「男」
いたずらを繰り返しては男子たち教師の反応楽しんでいる

2016.3.29「分」
フレームのかたちにきっちり切り分けたレンズで埋まる眼鏡ショップは

2016.3.31「丸」
丸ごとの私の中から私でさえ知らない私を取り出すあなた

「うたの日」投稿作品(2016年2月)

2016.2.1「剣」
ごてごてと金で飾った刀剣にヤンキー文化の源流を見る

2016.2.9「あだ名」
年一回賀状の中で行き来する子どもの頃の互いのあだ名

2016.2.15「靴」
昨晩の睡眠四時間ランニングシューズふわふわ私を運ぶ

2016.2.16「藍」
ぎっしりといのちの重さに固まった花甘藍(カリフラワー)の球(たま)切り分ける

2016.2.29「うるう日」
二月からぽろりとこぼれた一日が四年待ちわびた瞬間が来る

「うたの日」投稿作品(2016年1月)

2016.1.9「弓」
それぞれの角度で揺れる弓たちが紡ぎだしていくワルツの調べ

2016.1.10「活字」
極太の角ゴシックで黒々と刻まれ続ける2011

2016.1.11「二十歳」
晴れ着着てはしゃぐ笑顔がいつまでも護られる国でありますように

2016.1.13「泡」
きらきらと泡のベールを引きながらペンギンたちは水中を舞う

2016.1.14「明」
通知表電子化されて先生は明朝体で我が子を評す

2016.1.19「低」
重低音じわっと沁みるあの声が今日もラジオで囁いている

2016.1.20「雪」
アイロンを滑らせてゆけまっさらな雪原ひろがるブロードのシャツ

2016.1.21「木」
一本の木だった頃の思い出を箸たちがそっと囁いている

2016.1.28「切」
貼り終えた切手の脇に舞い降りる二円切手の真白なうさぎ

2016.1.29「ルール」
他人との差異に気づかずマイルール振りかざしてた思春期の棘
(過去詠:題詠blog2015「異」で詠んだもの)

2016.1.30「線」
この町の空を縫い終え電線は山を伝って東へ急ぐ

2016.1.31「斜」
まっすぐでいたいのだけど撮り終えた写真がどれも傾いている

「うたの人」(2015年10月〜12月)

2015.10月 うたの人「時々」
忘れられないほど見事なフィナーレを時折見せてくれる夕空

2015.11月 うたの人「幸」
あたたかく時は満ちゆくアドヴェントカレンダーひらく朝の清しさ

2015.12月 うたの人「数」
繰り返す約束のようになめらかな対数螺旋で貝は伸びゆく
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