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題詠blog2015 百首まとめ

題詠blog2015に参加した作品をまとめました。

001:呼
題一つ一つが想い呼び覚まし私は百の私と出会う

002:急
急カーブ続く山道にも慣れてやっとこの地の母ちゃんとなる

003:要
要点はどこにあるのかいつだって「作者の気持ち」の答え間違う

004:栄
栄螺堂(さざえどう)上って下りてエッシャーの騙し絵の中歩くひととき

005:中心
ずれていたこころの中心然るべき場所に戻して歩き始める

006:婦
「婦」のつく語に「売春」に絡むもの多くおんなの苦難の歴史を思う

007:度
「雨降るよ」四度繰り返し四人の子ひとりひとりに傘を持たせる

008:ジャム
「あんこはね豆のジャムだね」つぶあんをパンに塗りつつ子と話す朝

009:異
他人との差異に気づかずマイルール振りかざしてた思春期の棘

010:玉
青春をいくさに奪われ父たちが戦地で聴きし玉音放送

011:怪
今週も白いマントを翻し怪盗キッドは闇に消え去る

012:おろか
通りゃんせ歌ってとおろかりそめの恋でも君に捕まりたくて

013:刊
朝刊が新聞ばさみに綴られて図書館に今日の風吹きはじむ

014:込
(コンラート・ローレンツ『ソロモンの指環』より)
目の前の人間を親と思い込み慕う雛鳥の記録愛らし

015:衛
わたくしを回る四つの衛星の如き子らとの日々愛おしむ

016:荒
子どもらに声を荒げた日の午後は優しいジャズが胸に沁みこむ

017:画面
天球の大画面には星々が今日も描き出す神話の世界

018:救
救急車駆け抜ける街 道譲る車の列は祈りのかたち

019:靴
新しい靴に五月の光映えAllegrettoに駆け出すこころ

020:亜
分類上、ヒト亜科ヒト族ヒト亜族ヒト属ヒトのわたくしである

021:小
小石やら紙やら錆びた金具やら出てくる出てくる子らのポケット

022:砕
かんこんと叩き落とされ砕かれて氷柱(つらら)の欠片雪に光れり

023:柱
軒下の巨大な氷柱(つらら)曲がり来て硝子窓へと爪伸ばしおり

024:真
真夏日の標識のようにすっくりと向日葵の花並び立つ庭

025:さらさら
さらさらと砂は落ちゆく永遠に約束の時間行き来しながら

026:湿
給食の白衣にアイロン強く圧しぱりっと湿り気追い出してゆく

027:ダウン
フリースもダウンジャケットも脱ぎ捨てて子らは春へと駆け出していく

028:改
改札に鋏を鳴らす音が消え機械は平らな切符吐き出す

029:尺
計算尺ぎりりと回し若者は宇宙を統べる法則探す

030:物
立春を過ぎ三割に下げられて干支の置物まだ売られおり

031:認
電気、ガス、戸締まり 指差し確認は出かける前の小さな儀式

032:昏
昏々と眠れる母の病室に言葉少なき父とわたしと

033:逸
渾身のキックがゴールを右に逸れPK戦は終わりを告げる

034:前
前向きに生きることしか許されず玩具(おもちゃ)の汽車の如く壊れゆく

035:液
機械にもツボがあるらし揉みやれば液晶画面が点くプリンター

036:バス
汚染地を離れるバスに乗ったきり四年故郷に帰れない子ら

037:療
我の眼に治療のレーザー丹念に撃ち込む女医の瞳美し

038:読
古本に引かれた線にくっきりと読み手の興味の在処が浮かぶ

039:せっかく
せっかくのお土産だからと断れず飲み込むケーキはずしりと甘い

040:清
清冽な水の青さで読手(どくしゅ)の声広がっていくかるた会場

041:扇
扇風機にワンピースの裾かぶせては風通らせて笑ってた夏

042:特
子育ての特等席にいるのだと思えば辛さも目減りしていく

043:旧
旧式の炊飯器一つ貰い受け一人暮らしの始まりとなる

044:らくだ
生涯をらくだと過ごす遊牧の老婆の笑顔砂漠に光る

045:売
「ママ、来て!」と売り子二人に誘われてお店屋ごっこの上客になる

046:貨
おはじきの硬貨並べて青いのは百円ですと子らは言いたり

047:四国
子はくるりと餡だけ残しカステラを食べおり四国銘菓のタルト

048:負
正の数負の数足しゆく危なげな鉛筆の先を見守っている

049:尼
涼やかに光を湛え中世の尼僧が遺した聖歌が響く

050:答
あの春に出した答えのその重さ抱えたままで五年目が来る

051:緯
包丁で緯線と経線刻まれて小さな地球になるメロンパン

052:サイト
サイトウの「齋」の字覚えられぬまま部品をばらばら並べては書く

053:腐
ゆっくりと豆腐に焼き色つけていく時間も旨味になれ、チャンプルー

054:踵
すり減った靴の踵よあの街にもこの町にも散るわたしのかけら

055:夫
メールでのやりとりだけが続くとき夫は少し透明になる

056:リボン
三等の黄色いリボンはためかせ応援席へ吾子は駆けゆく

057:析
苦しさの澱みの中で鈍色に析出していく結晶がある

058:士
なめらかな右側の肩に宝永山を乗せた富士がわたしの富士だ

059:税
増税をごまかすような愛らしさエゾユキウサギの二円切手は

060:孔雀
漆黒の屏風に浮かぶ刺繍絵の孔雀の羽は黄金(きん)に燃え立つ

061:宗
迎え火を焚かぬ宗派もあるのだと嫁して初めて知る盆休み

062:万年
事務用の万年筆で端正な文字書く女性(ひと)の優美忘れず

063:丁
三ヶ月ぶりのあなただ 開けたての珈琲豆を丁寧に挽く

064:裕
久々にひとりの時間を楽しんで余裕というのはこういうことか

065:スロー
鮮やかなフリースローでゴミ箱にシュートを決めて今日も快晴

066:缶
サイダーの缶をぷしゅっと開けるとき君の手元に溢れ出す夏

067:府
駆けあがる仔犬のかたちの京都府の右足の先に君は住んでる

068:煌
華やかに煌めくジュエリー詰め込んで家庭画報がずっしり重い

069:銅
銅線の橙赤色が特別な輝きだった理科の実験

070:本
「母さん」は本日休業 寝そべって子らと映画を観る日曜日

071:粉
粉砂糖ふわりとかけてお洒落したシュークリームがすまして並ぶ

072:諸
諸事情は話せないままやんわりと外食の誘い断っている

073:会場
ペンライトさざ波の如く色を変え光揺れやまぬライブ会場

074:唾
唾棄すべき言動ばかり報じられ有象無象が跋扈する国

075:短
四店を最短ルートで回りゆく買う物リストを羅針盤(コンパス)にして

076:舎
出荷日の迫る子牛にもう一度会うため吾子は牛舎へ急ぐ

077:等
焼きたてのピザを大きく六等分に切って家族の揃う幸せ

078:ソース
ジーンズに洗いざらしのカットソースイート過ぎない恋が始まる

079:筆
ぼろぼろの筆箱気にせず使ってる娘はかつての私のようで

080:標
その足環に課せられた意味知らぬまま標識鳥は飛び立ってゆく

081:付
少女らのあこがれ映す歴代の『りぼん』の付録の本眺めおり

082:佳
「佳きことの多き一年を」元旦の賀状に滲む友の優しさ

083:憎
もう誰を憎めばいいか分からずに原発事故後の世界を生きる

084:錦
紅白の金魚を二匹泳がせて錦玉羹に透き通る夏

085:化石
うつくしい化石のような思い出が記憶の地層に蔵(しま)われている

086:珠
数珠つなぎにちょこちょこ並ぶ一年生少し曲がった整列をする

087:当
速い子と丁寧な子と 掃除にも個性出てくるお風呂当番

088:炭
炭酸水はじける速さで夏がゆくあなたが父でいられる時間

089:マーク
ミシシッピの水面に永遠(とわ)の冒険を刻んでいったマーク・トウェイン

090:山
山肌に立ちのぼる雲に洗われて木々の葉はまた色を深める

091:略
「前略」と書き出してみればするすると嘘並べられる大人になった

092:徴
回復の徴候見えて軟膏を傷に塗る手がちょっぴり弾む

093:わざわざ
強風の指にかき回され続けざわざわざわめきやまぬ芦原

094:腹
このお腹にみんな入っていたのにね 子どもは次々親の背を抜く

095:申
国民の異議申し立てに耳貸さず右へ右へと舵は切られる

096:賢
幼子は時に賢者ですっぱりと本質を突く一言が出る

097:騙
年寄りを騙す健康機器の店ぱくりと戸口開けて待ちおり

098:独
反省とはどうあるべきか日独の差異がするどく浮き上がる夏

099:聴
聴く度に元気になれるその声に逢いたくてまたラジオをつける

100:願
贅沢な願いではないはずなのに 子を安心して育てることは
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