折り句商店街

折り句を作ってみたくて、2016年8月28日のうたの日のお題「蝉」に「せみしぐれ」で折り句を試してみていたのですが、29日のお題は「商店街」でした。そこで、「しょうてんがい」を折り句で作って投稿してみました(下に挙げた二つ目の歌です)。折り句であることを気づいてもらえたかどうか、よくわかりませんでしたが…。
これをきっかけに、折り句で「商店街」を表現できないか…と考えてみました。自分で決めたルールは、句の一つ一つが「しょ」「う」「てん」「が」「い」で始まるようにすること、そして、商店街の歌として意味が通ることです。
歌の巧拙はともかく、折り句を作るのはとても楽しかったです。まだまだ作れそうな気がします。


折り句「商店街」

商店街?家(うち)から理容店をすぎ眼科の角を行けばすぐです

ショーウィンドウ映る夕日が店内の硝子細工の色をはじいて

商店街海の日セールの店舗にはガッツが売りのイケメンバイト

醤油、みそ、うずらのたまごと天ぷらとがんもも買っていつもの会話

ショール巻き噂話の店主たちガールズトークは今も健在

「商売はうちのおやじの天職だ!」がははと笑っているおやじさん

奨励賞受けたお菓子は天下一 ガトーショコラといちごのショート

「正面から打ち明けたのにてんでダメ…」頑張れと奢るいちご大福

書店では売れないままの店頭のガイドブックが色褪せている

小説と宇宙の本と天文の学習図鑑をいっぺんに買う

商店街裏の倉庫の転写機がガリ版の時代今に伝える

商売替え売り払われる店舗ではガレージセールがいま始まった

ショーウィンドウ映る夕日も店内の硝子細工もいつか見た町
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母子避難

地震だけならば残れたかもしれぬ原発事故がすべてを変えた

避難したくてもできない ガソリンが、ガソリンが町に届かないのだ

基準超えの被曝を示す数字だけ突きつけられる県のサイトで

出発のバスターミナルで急遽撮る全員マスクの家族写真を

ランドセル、文具と次々送り出し子どもの気配が消えていく家

譲られた食器の埃を洗いつつ初めて気づく我も被災者

原発と汚染が引き裂く父と子の時間をメールで繋ぎ合わせる

スーパーの床に膝つき叫びたいどの食品が安全ですか

奪われた食の楽しみ取り戻す闘いとして焼くメロンパン

三ヶ月ぶりの父に駆け寄るその速さ 吾子の笑顔が弾む無人駅

甲状腺検査受けさせるこんな目に遭わせるために産んだんじゃない

今のこの日本に生きる悲しさを三十路で逝ったあの友は知らず

避難者十五万の涙を置き去りに推し進められてゆく再稼働

儲かれば安全要らぬ人命も要らぬと叫ぶ推進派たち

兄弟で笑い合う日々が君たちを強く支えてくれますように

妻と子を西へ逃がしたフクシマの若き父たちの勇気を思う


うたの日「避難」のお題で作った私の歌(5首目)が拙くて、母子避難の歌だということが伝わらなかったようなので、他の歌も作って合わせて並べてみました。以前に「題詠2014」などに出した歌も入っています。

夏の只中

気がつけば夏の只中 日盛りの浜辺の町に車走らせ

水撒けば次々飛び出す雨蛙 庭一面にいのち満ちてる

夏を告げる道標のようにすっきりと薄紅の蓮(はす)咲く通学路

ラジオから大人の誠実溢れ出す 夏休み科学電話相談

雑詠 2014年2月〜7月

ぷつぷつと崩れゆくものコーヒーのドリップの泡じっと見ており

前へ前へ自転車のペダル漕ぎ続け炊事洗濯掃除また炊事

かるがると架空の世界に舞いあがる妖精の羽いつ失くしたの

残りご飯かき込む昼餉私は私でしかない残念ながら

流感の熱に炙られぎりぎりと締め上げられる四肢となりたり

とおろりと湯船のお湯に包まれる葛饅頭の餡子みたいに

歩み来てふと立ち止まりまた戻り言葉の迷路を今日も出られず

さくさくと鋏動かし羊の毛刈り取るように雑草を剥く

何一つ夢見ることなく庭の草毟り続ける機械(ルンバ)になりたい

できたての地球の如き灼熱のトマトソースを煮る神である

雨雲の薄衣を纏い山々はカルピス色の空に溶けゆく

くるくると皿を洗う手このほかにいったい何を成し得ただろう

未来などわからないから今はただ笑って義父母と見上げる花火
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